8月17日・18日に栃木県矢板市で開催された「やいた八方ヶ原ヒルクライムレース」。6回目を迎えた2019年は、過去最高の820名を超えるエントリーがあり、年々参加者が増えています。「ふるスポ!」はふるさと納税でのエントリーで協力させていただきました。
このレースのもう一つの特徴は地域の「おもてなし」。どんな仕掛けで地域・大会のファンを作ってきたのか。大会事務局、ヒルクライムならぬ「夜クライム」発起人、そしてそれを支える人たちにお話を伺うと、それぞれが自分ゴト化し、自分には何ができるかを行動に移した結果が見えてきました。
地域の取り組みから始まった
数年前、矢板市役所では、部署横断型の「プロジェクトチーム」を作り、自分の仕事の枠には囚われず、地域活性化を目的に、自身の興味のある分野で仕事をしようという取り組みがありました。そのプロジェクトチームのひとつが、自転車でまちを盛り上げる目的で「チャリプロ」というチームを作りました。
自転車を活用したまちづくりプロジェクトチームとは?
通称:チャリプロ。
健康維持に最適なスポーツとして近年注目され、愛好者が増えている「自転車」について、地理的優位性を活かしたサイクルイベントを開催するなど地域活性化に取り組むことを目的に設置されました。
市職員がメンバーとなり、自転車を活用したまちづくりを進めるための調査・研究を行っています。
矢板市ホームページより引用。(https://www.city.yaita.tochigi.jp/site/tyaripuro/)
そのチームで話題に出たのが、「じてんしゃの杜」という栃木県内の自転車屋さんが現在のヒルクライムレースと同じコースで開催していた計測会。そこで、「プロ自転車チームの宇都宮ブリッツェンなどの協力を得て、この計測会を活用して交流人口につながるヒルクライムレースを作ってみたらどうか」というのがやいた八方ヶ原ヒルクライムレース大会の発端でした。
この大会の意義は、東京マラソンのような都市型レースとはちがう、「矢板を知ってもらい、何度も自転車を通して訪れてもらう、矢板市の交流人口を増やすことが目的なんです。」と伺うことができました。
何かできることはないか、地域の有志が始めた「夜クライム」
栃木県矢板市は、泉地区(北部)・矢板地区(中部)・片岡地区(南部)の3つの地域が合併してできた市で、「夜クライム」はその中でもこの大会のスタート地点から近い、泉地区の有志が始めた取り組みです。
「地域にヒルクライム大会がある。せっかく来てもらったなら、前日の宿を提供しよう!」と、何かできることはないかと考え地域の公民館を解放し、宿の提供を始めました。第2回大会から始め、今年で5回目になります。
いまでは、宿の提供だけでなく、大会前夜に食事や地元の特産の提供、栃木県を中心に活動するプロ自転車チームの宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼンの選手との交流も行われており、大会ファンが何度も参加するような取り組みに育っています。
「夜クライム」参加者の声
・群馬からレース初参加。
この大会にでるなら、他のサイクリストとの交流もできる夜クライムから行った方がいいよとお勧めされたのだとか。
・東京から来られた参加者。
夜クライムは3回目。「どこにも情報が出てないんですが、実は、朝食でソーメンも出て、おもてなしがすごい。一度来たら、やめられなくなって、毎年来てしまいます。」
地域のみなさんが作った食事が出てきたときには「これを1年間待ってたんだよー」という声もあがっていました。
みなさん自転車談義に花を咲かせながら、明日のレースに備え英気を養っていました。
レース当日!
レースの模様を写真と共に振り返ります。
レース後の楽しみは「食」!
f:id:furu_spo:20190828104427j:plain
取材を終えて
自転車屋さんが始めた計測会、市役所の横断プロジェクト、おもてなしを始めた有志の方々。スポーツ大会を通して交流人口増加、そして貴重な体験を通して地域・レースのファンになることで自転車のまちづくりができてくる。
きっかけは小さくても、それぞれの行動が大きなうねりになっているのを体感した大会でした!
スポーツふるさと納税「ふるスポ!」はスポーツプロジェクトをふるさと納税で応援できるプラットフォームです。これからも地域の大会やチームなどを掲載していきます。是非チェックしてください!お気軽に問い合わせもお待ちしています。