2019年09月03日(火) インタビュー

「プロ選手は子ども達にとって“生きた教材”」という話。新潟アルビレックスBBと地域の関わり方(後編)


「プロ選手は子ども達にとって“生きた教材”」という話。新潟アルビレックスBBと地域の関わり方(後編)

プロスポーツチームの地域貢献活動は耳にすることが多くなってきましたが、詳しく説明されているものがなく、実際に何をしているのか、どんな目的でやっているのか伝わりにくいと感じていました。

バスケット交流の模様の前編に続き、後編では夢授業の様子や、選手や事業を行っている担当者のお話を伺いました。そこには、子ども達にプロスポーツとの関わりを通して、何を感じて欲しいかということがわかってきました。

「ふるスポ!」は、新潟県長岡市・新潟アルビレックスBBと連携し、ふるさと納税を活用したチーム支援・スポーツ振興を行っています。2019年8月からは、ふるさと納税で小学生にビブスをプレゼントできる企画も開始しました。

選手の夢や目標との向き合い方からの学び

バスケット交流の後は、選手たちが先生となり夢授業がスタート!

ここからは、チームスタッフが司会となり、選手に質問。一問一答で内容を紹介していきます。

Q)小学生・中学生時代はどんな子どもだった?

森井選手:小学校1年生からバスケを始めました。勉強は1年生の頃は毎日校長室でやっていました(笑)。小学校3年生からバスケスクールに通いだして、勉強もバスケもしっかりしないといけないという意識に変わりました。何かひとつ夢中になれることがあるのは良かったですね。

石井選手:小学校2年生からバスケットを始めました。小学生の頃、アルビBBの試合を観に行って、将来あんな選手になりたいと思いました。

Q)バスケット選手になり、夢を叶えた2人だけど、子どもの頃の夢は何でしたか?

石井選手:バスケット選手になりたかった。小学生の時からみていた五十嵐選手や池田選手と同じチームでプレーできてすごく幸せです。

森井選手:バスケが上手くなりたいという気持ちだけだった。プロ選手になりたいという夢ができて、夢との距離がだんだんわかってきたので、それをどうやって達成するかを考えてきた。まずは、毎日夢中で好きなことをやることが大事。

Q)夢のために頑張ってきた2人だけど、簡単にはいかなかったことや諦めて夢を変えようと思ったことはありますか?

石井選手:プロ選手になれないんじゃないかと思うことはあったが、頑張り続ければ何かチャンスがくる。もし仮にダメだったとしても、次のステップにつなげることができる。目標を持って頑張り続けることはすごく大事だと思います。

森井選手:諦めたことは一度もないです。いつも上手くいかない時は、他人のせいにするのではなく、自分に目を向けてきました。まだまだ夢の途中です。バスケだけでなく普段の生活でも自分に目を向けて行動して、今日の自分は、明日の自分を越えていくことを意識しています

Q)プロ選手になれて良かったことや嬉しかったことはありますか?

石井選手:たくさんの人に応援してもらっていて、応援してくれている人たちのおかげでプレーできている。そういった人たちが喜んでもらえた時がすごく嬉しいです。

森井選手:選手になれて、感謝の気持ちが強いです。自分のおじいちゃんが喜んでくれて、活躍することが生きがいだと言ってくれている。これからもプレーや様々な形で感謝の気持ちをいろんな方に表現していけたらと思っています。

Q)ホーム長岡のいいなと思うことは?

石井選手:みんなもそうだと思いますが、ながおか花火が一番好きなところです(笑)!

森井選手:去年初めて花火を見て、すごく感動しました。そこに向けたまちの盛り上がりも感じました。それに、まちがあたたかいですね。ここまで皆さんや市全体が、熱い応援やサポートをしてもらえている地域はBリーグ探してもなかなか無いと感じているので、すごく力になります。

Q)これからの目標はありますか?

石井選手:チームとして今シーズンの目標は、去年目標としていたチャンピオンシップ進出した成績を超えること。個人としても、必要とされる選手になれるよう1日1日を大切に頑張っていきたいです。

森井選手:チャンピオンシップを経験し、まだまだ上があると感じました。もっともっと自分・チームの成長をしていきたいです。個人としてはBリーグを代表する選手になれるよう、一歩でも二歩でも前に進んでいくしかないと思っているので、それに向けて頑張っていこうと思います。

会場)拍手〜!!!!

>次は、小学生からの質問タイム!

Q)身長と体重を教えてください

石井選手:187cm、80kgです!

森井選手:178cm、77kgです!

Q)どうしてバスケが好きになったのですか?

石井選手:兄がバスケをしていて、一緒に試合を観に行ったり、プレーしているうちに自然に好きになっていました。

森井選手:小学生の時に通っていた美容室の方がミニバスのコーチをしていたので、それがキッカケでバスケを始めました。やっていくうちに「上手くなってパスをもらいたい!」と思うようになり、どんどん惹かれていきました。

Q)バスケをする時、何を大切にしていますか?

石井選手:練習に全力で取り組むことは大切にしています。

森井選手:勝負事なので、年齢実績関係なく相手に勝つことを心がけています。対戦するチームもそうですし、自分と同じポジションの人にも、そして、自分に勝つことを意識しています。

Q)得意な技は何ですか?

石井選手:遠いところから打つシュートを得意としています。

森井選手:ドリブル、パス、ディフェンスが得意です。

Q)誕生日はいつですか?

石井選手:7月13日です!

会場)おめでとーーーーっ!(取材日は、7月18日)

森井選手:9月22日です!

Q)今何歳ですか?

石井選手:何歳に見えますか?(笑)24歳です。

森井選手:(石井選手と)同い年ですが、23歳です。

Q)家族はいますか?

石井選手:お兄ちゃんがいます!

森井選手:4人家族で弟が大学3年生です。

最後に、代表の子ども達から一言お願いします。

「今日はとてもいい試合でした。選手と私たちの絆が深まってよかったです。」

「スピードが速くて、ダンクシュートが上手くて、試合のときはびっくりしました。」

「質問でいろいろメモをとれました。ありがとうございました。」

>最後に選手から感想をもらいましょう!

森井選手:短い時間でしたが、バスケットやお話をして楽しかったです。ありがとうございました。

これからみなさんが夢や目標に向かって頑張ってくれることを期待しています。僕自身まだ夢や目標の途中で、僕も頑張るのでみなさんも頑張ってください。バスケットはとても楽しい競技なので、もしよかったら始めてみてください。アルビBBの試合にも見に来て欲しいなと思います!

石井選手:短い時間でしたが、みなさん元気よく積極的に取り組んでくれたので、すごく楽しめましたし、汗もたくさんかきました(笑)。

みなさんが、夢や目標に向かって取り組めば、可能性はすごくあると思います。自分もみなさんに負けないように夢や目標に向かって頑張るので、みなさんも頑張ってください。

この小学校の近くに僕が小学生のときからあったチームがあります。素晴らしい監督やコーチがいて、みんな楽しくバスケをしているので、興味ある人がいれば、男の子も女の子も関係なく、やっていただけたら嬉しいです!ありがとうございました!

オレンジのリボンが印象的な女の子。今日を楽しみにしていたんでしょうね!
最後はみんなでハイタッチ!

選手が考える地域との関わり方とは

ながおか夢授業終了後、この事業を選手がどう感じているか、選手にお話を伺うことができました。なかなか無い機会かと思います!

——プロ選手として地域との関わり方はどのように考えていますか?

森井選手:この活動やクリニックなどもそうですが、子供達と触れ合う活動は増やしていきたいと考えています。自分が子どもの頃には、身近にプロの選手が教えてくれる機会がなかったので。今はプロスポーツチームが増えて、このような機会は増えてきていると思ますが、バスケットをする・しないに関わらず、選手が来てくれてこういった体験ができるというのは、これからの人生に大切になっていくのではと思います。よりよい活動にしていければいいなと思いますね。

石井選手:出身地のチームに所属していて、育てていただいた長岡市や新潟県全体を盛り上げることにどんどん協力していきたいと思います。

自分の興味もあり、こんな質問もしてみました。

——選手からみる、スポーツの価値はどんなことだと思いますか?

森井選手:いい意味でも悪い意味でも勝ち負けがある。勝ってばかりの人はいない。それはスポーツじゃなくても受験や就職活動もそう。スポーツから学べることは、勝っているときどうすればいいか、負けているときどうすればいいかを考えること。バスケットはチームプレーなので人との関わりも重要になってくる。社会に出ても役立つことがあるとバスケットをしてきて感じています。

人との関わり・感謝の気持ちはスポーツをやっているから体感できているというのがあります。スポーツをやってきたから今の自分があると確信を持てています。また、様々な発言は、言う人によって捉え方は全然違ってくると感じていて、自身はプロの選手になり、影響力のある立場になってきているので、子ども達にアドバイスを言ってあげることで意識はすごく変わるのではないかと思っています。

石井選手:努力しないと頑張らないと生き残れない。これは会社に勤めることも同じだと思っています。頑張らないと置いていかれる、居場所がなくなる中で、そういったことを学べるところだと思います。

また、スポーツには、人を巻き込んで夢中にさせる部分があると思います。

———市のバックアップはどんな面で感じますか?

石井選手:大手通(市の中心商店街)にチームの旗を掲げていただいていたり、試合の日にはアルビBBのオレンジTシャツを着て仕事をしていただいている会社もあったり、選手を様々なイベントに呼んでいただいたり、何よりもたくさんのお客さんにアリーナに来ていただいています。

夢を実現した選手は生きた教材

最後に、長岡市教育委員会の新澤さんに、新潟アルビレックスBBと取り組む「ながおか夢授業」の目的をお伺いしました。

——事業を始めた目的を教えてください

子ども達に夢を描いて目標をもって取り組むことを体感して欲しいと思ったからです。

プロの選手は夢を実現した人なので、その夢を叶えるまでの挫折や紆余曲折があった体験談を語ってもらい、諦めないことって大事なんだなと、夢を叶えるのは自分次第なんだと感じてもらうこと、そして志を持って取り組むことを子ども達に感じてもらいたいなと思っています。

今、新潟アルビレックスBBのホームアリーナのアオーレ長岡の場所は、1964年開催の新潟国体のバスケットボールの会場だったという縁もあり、「バスケのまち長岡」としてバスケットボールを通してそれが実現できればと思っています。

アオーレ長岡の木製ルーバーは、元々体育館で使用されていたフローリングを活用している



もう一つ大きなのは、地元のチームなので、チームを通して地元愛を感じてほしい。地元に関わっているプロスポーツチームがあって、地元に対して誇りをもってもらいたいという願いもあります。

石井選手は、実は教え子なんです(笑)。ちょっとしゃべりにくかったんじゃないかと思いますが。今、新潟アルビレックスBBで活躍している石井選手や今村選手は長岡出身で、身近で過ごした人が地元で頑張ってプロになっているというのはとても大きいですし、新潟アルビレックスBBの選手が語ることを通じて子ども達から地元愛を感じてほしいと思います。

石井選手は中学時代は怪我が多くて、苦しんでいたと思う。夢が叶うのか不安になるなど、同じような気持ちの子がいると思うんです。挫折をしても夢を叶えた人だから子どもの気持ちに響く言葉が出てくると思います。選手は「生きた教材」なんです。教科書に載っている題材ではなく、目の前にいるので、子ども達への影響・感じ方は違うと思います。

夢を叶えるのは大変なこともあるけど、素晴らしいことなんだと子供達に感じてほしいなと思いますね。

<編集後記>

実際に選手の体験や考え方は誰でも気付かされる内容がありました。選手がもっともっとチャレンジしようとしていることを知り、まだまだ大人も子供もチャレンジすることを忘れてはいけないと刺激を受けました!

また、事業の担当者にお話を伺い、改めてとても素晴らしい事業だと感じました!今回タイトルにもしましたが、「選手は生きた教材」という言葉がとても印象に残りました。

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そして、新潟アルビレックスBBと長岡市は連携し、ふるさと納税を活用して子ども達を応援する事業を立ち上げました!

長岡市にふるさと納税をすると、寄附者様からの寄贈として長岡市内小学校のバスケットの授業などで利用するビブスの購入費に活用させていただく事業です。

自分のふるさと納税を通して、新潟アルビレックスBBの活動の参加者になることができます!こちらの応援もよろしくおねがいいたします!

長岡市内の小学校へ新潟アルビレックスBBオリジナルビブスをプレゼントしよう!|スポーツふるさと納税「ふるスポ!」


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